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レンズ カビ 清掃

『レンズにカビが生えているので除去して欲しい』
という依頼は結構多く、広角レンズ・標準レンズから
望遠レンズ・ズームレンズまで様々です。
このレンズは50mmの標準タイプですので
レンズの枚数も少ないですが、望遠レンズやズームレンズは
数枚のレンズから成り立っているので
単にカビ取りとは言え、分解するのも少し手間が掛かりますし
外国製のレンズだと造り自体が複雑になっていて
分解に時間を要する場合があります。

マウント側、後玉レンズです。右下の部分が白くなっています。
この写真では分かりにくいですが、
蜘蛛の巣や線香花火の様に見えるカビが
レンズに びっしり生えている時もあります。
サイト内の“よくある質問”にも記載しておりますが
カビの種類や保管状況・経過年数によっては
レンズのコーティング部分にまでカビが入りこんでいる場合もあり
『完全に綺麗に取れます!100%除去可能です!』とは言い切れません。

写真奥が前玉、写真手前が後玉です。
この写真の方が白いカビが生えている事もよく分かるかと思います。
カビだと思い修理に出したら、
レンズ同士をくっつけているバルサムという接着剤が
少しずつ劣化し、レンズの間に空気が入って
カビの様に見えている場合もあります。
また、小さい気泡の原因はレンズを作る際、
自然と出来てしまった可能性が高いので除去は不可能です。

前玉・後玉、それぞれ外側についているレンズを清掃しても
内側にカビが生えている場合は更に分解します。
外側から見ると1枚であるレンズ、実は2枚重なっています。
右下に写っているフチのないレンズだけの物が分かりますか?
ここまで分解したら復元の際、きちんと裏表を覚えておかないと
ピントがズレる原因となります。
清掃しても残念ながら、うっすらと汚れや曇りが
残る場合もありますが、製造年数の新しいレンズの場合は
コーティング自体がしっかりしているので、蜘蛛の巣状のカビは
大抵除去できるかと思われます。